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活動報告

公共サービス・ラーニング:豊中市立第四中学校


未来共生プログラムでは1年次の後期に「公共サービス・ラーニング」という授業科目があります。公共サービス・ラーニングでは履修生が学校、病院、自治体などの現場で実践家の人々とともに実際に様々な活動に従事して、多文化共生社会における実践的な能力を学ぶことを目的としています。2020年度の公共サービス・ラーニングも無事に終わりに近づき、みなさん、いろいろな学びがあったようです。豊中市立第四中学校 夜間学級で活動した藤内千浩さん(人間科学研究科・博士前期課程1年)からの報告をご紹介します。受け入れ先でお世話になったみなさま、ありがとうございました。

夜間中学校での学びを終えて

[写真1]豊中市立第四中学校 夜間学級の校舎

私がお世話になった実習先は、豊中市立第四中学校 夜間学級(以下、四中夜間と表記する)です。ところで、夜間中学校とは、戦後、経済的もしくは家庭的な理由から昼間の学校に通えなかった生徒の教育の機会を保障するために開設された学級のことです。そういった理由で開設されましたが、現在は、主に学齢を超過した人に対して、年齢・国籍関係なく門戸を開いています。四中夜間に在籍している生徒さんも、若い人たちから年配の方までおり、国籍においてもネパールやフィリピン、韓国、台湾と多様です。また、夜間中学校は、全国に35校あり、そのうち11校は大阪に設置されているのですが、その中でも、四中夜間は北摂に唯一ある学び舎です。では、大まかな四中夜間の紹介を終えたところで、そこでの学びを振り返っていくこととします。

私の実習内容は、授業の見学に始まり、生徒さんと共に授業を受ける、生徒の質問に応じる・前で授業を行う先生役など、幅広いものでありました。その中で最も印象的であったのは、どの教室においても温かな空間の形成がなされていたことです。具体的に説明すると、先生方は、生徒に対して、腰を据えて一から説明するぞという心持ちでおり、どんな些細な質問でも、それに応えじっくり時間をかけて説明していたのです。それに生徒さんが答えを間違い、ネガティブな発言を行った時、それを否定するとともに受け止め、次は、一緒の目線に立ち、問題に取りかかっていました。一方、生徒さんの態度や行動からも、周りの人を置き去りにするのでなく、お互いに支え合い、みんなで共に学んでいこうという思いやり・優しさが当たり前なものとして見られました。例えば、生徒さんが暗記出来ないことに対して、自分を卑下する発言をおこなった時、それを聞いて周りの人たちがすかさず、励ましのフォローを入れていました。それに新しい生徒さんが入学してくると、彼らは温かく迎え入れられ、比較的すぐに学校に馴染めているようでした。

そうした場での実習を経て、大きく変わったことは「毎日を精いっぱい生きよう」「学べるということに感謝しよう」などという、教育を受動的に受けてきた自身の姿勢に対する見直しです。生徒さんは仕事や家事を終え、疲れきった体で、学びにやってきます。しかし、居眠りをしたり、投げやりになっている人は誰もいませんでした。それどころか、多くの人が夜間中学で勉強が出来て嬉しいと、感謝の気持ちを表しながら、日々勉強に励んでいるのです。そういった姿勢を見て、日々前を向いて生きていくことの大切さや、学べるということが、生きていくにあたってどれだけ必要であるかを痛感しました。大変貴重な経験であったと感謝しています。

(2021年2月20日, 藤内)

 
 
 
 
 

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