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活動報告

ふくしまスタディツアー2020


未来共生プログラムでは、これまでフィールドワークを通じて東日本大震災の被災地と関わってきました。今年度は夏に岩手県野田村においてフィールドワークをするとともに、スタディツアーとして2020年11月19日~21日の日程で東日本大震災・福島第一原発事故の被災地に赴きました。以下、聶蕙菁さん(人間科学研究科・博士後期課程2年)の報告です。

ふくしまスタディツアー:復興の多面性

[写真1]帰還困難地域にある家々

東日本大震災の発生からもうすぐ10年目になります。近年では原子力事故があった福島、原子力災害そのものについての報道は減少し、私たちが被災者の生活や復興の状態を知る機会も少なくなりました。そこで、福島第一原発事故の被災地に赴き現地でのフィールドワークを通じて、被災地の現状を知り、被災者の方々から当時や現在の様子を伺い、「ふくしまスタディツアー」を通じて、ポスト災害および進行形の復興といかに共生できるのかについて学びました。

このスタディツアーでは、地震、津波、原発事故の三重被害を受けた富岡町、双葉町いわき市に訪問させていただきました。そのなかで、東京電力資料館で原発事故がなぜ起こったのかを詳しく説明していただき、東電で働いている社員の人から廃炉の取り組みも教えていただきました。そして、富岡町の住民からもお話を伺いました。多くの方がすぐに戻ってくるだろうと信じて一時避難をされたのですが、結果として先が見えない避難生活が今も続いているとおっしゃっていました。双葉町への訪問で、帰還困難地域に誰も人がおらず、復興は終わったのではなく、これから始まるのだと認識しました。そして、2020年10月に開設された双葉町産業交流センターを訪れました。そこで、行政が進めようとしているロボット事業を拝見しました。また、東日本大震災・原子力災害伝承館で、語り部の方からお話を聞くことができました。「避難の理由と避難先がわからないままの避難だった」、「避難先で賠償金の差で差別を受けていた」などの語りから、避難当時の混乱と避難生活の苦しさを感じ心が痛くなりました。さらに、語りを伝承していくことが大事だけど、高齢の方も多く、引き継ぐ人がなかなかいないとの語りも伺いました。

今回、様々な立場の方々からお話していただき、災害、あるいは、復興の多面性について考えさせられました。国や地方自治体が推進するロボット事業などはとても有意義なことだと思う一方、現地に何十年も住んでいる住民の立場に立ってみれば、必ずしもそう望んでいるとは限らないことを学びました。ポスト災害と共に生きる私たちには何ができるかを考えると、このツアーで学んだこと、そして、語っていただいたことを自分だけの中で留めておかないように頑張りたいと思いました。最後に、今回私たちはお話いただける方から伺うことができましたが、まだ語れない方々の存在も忘れてはいけないと思いました。お世話になった皆さま、ありがとうございました。

(2021年2月18日, 聶)

 
 
 
 
 

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