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活動報告

公共サービス・ラーニング:あおぞら財団


未来共生プログラムでは1年次の後期に「公共サービス・ラーニング」という授業科目があります。公共サービス・ラーニングでは履修生が学校、病院、自治体などの現場で実践家の人々とともに実際に様々な活動に従事して、多文化共生社会における実践的な能力を学ぶことを目的としています。2020年度の公共サービス・ラーニングも無事に終わりに近づき、みなさん、いろいろな学びがあったようです。あおぞら財団(公益財団法人公害地域再生センター)で活動した鹿沁雨さん(法学研究科・博士前期課程1年)からの報告をご紹介します。受け入れ先でお世話になったみなさま、ありがとうございました。

公害知識を伝える難しさ:あおぞら財団

[写真1]芸術展の現場

あおぞら財団は、日本最大規模の公害裁判とも言われる「大阪西淀川大気汚染裁判」で、被告企業の和解金の一部を基金として設立された公益組織です。今は、西淀川の大気汚染を軽減するために、さまざまな力を合わせて努力をするだけでなく、国内外の環境公益組織との交流を通じて、環境汚染が問題となった地域のサポートや、環境汚染を軽減するような経験を交流を通じて行っています。そのほか、都市風景、地元風景などをモチーフに創作された芸術品の展覧会や、子ども向きのエコな芸術創作ワークショップも開催しています。

私は、主に芸術展や、西淀川公害歴史講義のイベントに参加させていただいています。芸術展においては、使われなくなった御幣島駅のバスターミナルを利用し、個人展や、子ども向けのワークショップなど、多様なイベントが行われています。その中には、西淀川の西にある矢倉緑地公園でゴミを回収し、廃棄されたタイヤや箒などを使って、キャラクターを作るイベントを開催したり、緑陰道路で、葉っぱや花などを使って、顔料を作る実験をすることもあります。公害歴史講義の参加者のみなさんは公害に対して非常に関心を持たれていました。私の経験としては、生まれ育った地域で以前、大気汚染が話題になることがありましたが、インターン活動を始めるまでは公害についてほとんど関心がない状態でした。

[写真2]楽らく呼吸会 イベントの様子

これらの様々なイベントに関わり、自分もイベントの何か良いアイデアはないかと考えました。しかし、企画を考えること自体の大変さを感じました。最初は、GPSアートという形式を模索しました。具体的には、西淀川の区の花、サザンカをモチーフに西淀川区内でGPSを使って、地図上の行動経路を絵にするというものです。しかし、エコなライフスタイルを目指すイベントにもなりそうでしたが、実現には至りませんでした。子どもや普段、公害について全く興味がない人に届くようなイベントをどのように企画するか、ということを考えるきっかけは得られましたが、今回の活動を通して、実際にイベントを企画・運営することの難しさを感じました。

公害知識を持たない人の場合は、イベントに参加してもピンとこないこともあるかと思います。また、大気汚染の少ない地域に住んでいる人も、なぜ公害について知らなければならないの?となるかもしれません。一つの地域で過去に起こった公害を、次世代に伝えることは少なからず抵抗感がありました。しかし、今の素敵な生活環境は昔の人々が努力して得たものだと知らなければいけないと思います。そして、今、環境汚染が起こっている地域における問題を和らげるように、公害の発生原因を知る必要があると考えています。活動への関わりは緊急事態宣言の影響もあり、制限されたこともありましたが、引き続きこの活動を通じて得た学びを深めていきたいと思います。

(2021年2月1日, 鹿)

 
 
 
 
 

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