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活動報告

公共サービス・ラーニング:大津清陵高等学校


未来共生プログラムでは1年次の後期に「公共サービス・ラーニング」という授業科目があります。公共サービス・ラーニングでは履修生が学校、病院、自治体などの現場で実践家の人々とともに実際に様々な活動に従事して、多文化共生社会における実践的な能力を学ぶことを目的としています。2020年度の公共サービス・ラーニングも無事に終わりに近づき、みなさん、いろいろな学びがあったようです。滋賀県立大津清陵高等学校で活動した桶河優子さん(人間科学研究科・博士前期課程1年)からの報告をご紹介します。受け入れ先でお世話になったみなさま、ありがとうございました。

日本語教室での学び

[写真1]滋賀県立大津清陵高等学校馬場分校夜間部

昨年度10月から、外国人や外国にルーツのある生徒が多く在籍する滋賀県立大津清陵高等学校馬場分校(夜間部)で、日本語教室の日本語指導支援の活動をさせていただきました。本校は昼間部(普通科)・夜間部(普通科)・通信部(普通科)からなり、夜間部の教育課程は単位制と年次制が併用された柔軟な単位修得が可能となっています。また国語・数学・英語については、それぞれの学習の到達度に応じた授業を受けることができます。日課は1時限が5時半に始まり、最終下校は9時45分となっています。とくに注目したいのは、外国人や外国にルーツのある生徒が日本語を習得し、それが単位として認められる、日本語の単位が取れる滋賀県唯一の高校であることです。

[写真2]日本語教室授業風景

日本語授業では、日本語担任教員が毎回、明るい話題や生徒が興味を抱くような日本のニュースの聴解で始まります。さらに日本語指導だけではなく、生徒に自己肯定感を高めてほしいと、生徒が支援員の方々に母語を教える活動や日本語の作文発表などにも取り組んでいました。日本語指導の時間には、元JICA海外協力隊隊員、滋賀県国際交流員、大学生、元本校教員など複数の日本語指導の支援員がいます。そしてその支援員の方々は、ポルトガル語・スペイン語・英語など、外国人や外国にルーツをもつ生徒たちの母語を話すことができます。生徒たちは母語で話せる安心から、わからないことを母語で尋ねる生徒もいます。日本語学習でも補足的に母語を使用し、母語で説明をすることで理解が促進されていると思いました。またそれぞれの生徒の国籍・出身地が様々で、日本の滞在歴や日本語の学習歴も異なるため、日本語指導支援員の方々は日本語習得の学習方法を独自に模索しながらも、個々に担当する生徒に対して包み込むようなまなざしを向け、真摯に日本語支援をされている姿がたいへん印象的でした。私は母語での対応はできませんが、担当している生徒の自国の文化について、興味深い話をたくさん聞くことができました。「この話は長くなるよ。」と休み時間にも母国の歴史や状況、自分の体験など「知ってほしいから」と丁寧な日本語で一生懸命に語ってくれました。二つの文化で生きる外国にルーツがある生徒の想いに、少しでも触れることができた貴重な経験だと感じました。

この活動を通して、先生方、日本語指導の支援員の方々、外国にルーツのある生徒たちからつながることの大切さを学ばせていただきました。馬場分校には、多言語での対応が可能な日本語指導の支援員の方々がいます。今後母語での指導も入れながら、元JICA海外協力隊隊員や国際交流員など高いスキルをもった日本語指導支援員と日本語指導教員が日本語指導についての指導法や方向性を共有し、連携を深めることで、さらに日本語教室が発展すると考えます。

(2021年1月27日, 桶河)

 
 
 
 
 

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