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活動報告

未来共生セミナー「共に生きる不自由-表現者との対話ワークショップ」のご報告


未来共生セミナー「共に生きる不自由」表現者との対話ワークショップ

[写真1]第2回 村山悟郎さんのプレゼンテーション
[写真2]第3回 加藤翼さんのアクション

2019年11月、未来共生プログラムが管理する共有掲示板において、ある出来事がありました。それをきっかけに、掲示物のルールや管理のあり方にとどまらず、表現の自由と責任、異なる考えを持つ者同士が共に生きることについて考える場が必要となりワークショップが企画されました。「あいちトリエンナーレ2019」に出展し「表現の不自由展・その後」の展示再開に尽力されたアーティストの加藤翼さんと村山悟郎さんを講師としてお招きしました。また卒業生の小泉朝未さんに進行役を引き受けて頂きました。残念ながら新型コロナウィルスの影響のためオンライン開催でしたが、有意義な計3回の対話型ワークショップとなりました。

第1回(2020年6月27日)では加藤さんと村山さんから学ぶ場として、第2回(7月11日)では、掲示板のことを含め身近に起きている不自由について語り合う場に、そして第3回(8月11日)では共に生きる不自由をはみだすアクションを報告する場として設定しました。第1回と第3回では定員15名の参加者以外にも聴講可能とし公開型で行い累計約40名の方に参加頂きました。第2回では「社会の分断をどのように見ているのか、そこに”揺らぎ”を起こすことはできるのか」「分断と対立を解決するissueの専門家に求められる態度とはどのようなものか」というお二人からの問いに基づき対話を重ねました。対話の中では「モノローグからダイアローグへと転換する場の必要性」が確認される一方で「SOSを発する人は対話を求めているのか」「表現者の主張を専門性をもって社会化するとはどういうことか」といった新たな問いが生まれました。

第3回の前に「仮に半年前にタイムスリップして、あなただけがコロナ禍の到来を事前に知っているとします。どうやってより多くの人に知らせますか?」「現在のパンデミックに対して、自分の専門性を駆使してどのように貢献できますか?」という課題が提示され、実際にアクションを起こすことが課せられました。参加者のなかで行動できた人は少数であり、行動を起こすことの難しさを実感しました。しかし、加藤さんはそのプロセスを共有できたこの「場」がひとつのアクションとなったと言います。お二人が課題に対して起こしたアクションはアーティストという専門性を活かした見事なものでした(詳細は報告書に掲載予定です)。

今回のワークショップでは共有掲示板という小さな「場」の問題から、公の安全と個の自由、専門性と政治や経済との関係など、大きな問いを一歩踏み出して語り合える場となりました。未来の共生を考えるとは、明確な科学的根拠がないけれども一歩踏み出して考える場を創ること、そしてその場の積み重ねが社会に揺らぎを起こす礎になると感じました。

(2020年9月9日, 石塚)

 
 
 
 
 

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