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活動報告

海外インターン:ブラジル


海外インターンシップのご報告です。未来共生プログラムでは3年次に半年ほど様々な国でNGO、NPO、学校の公的組織でインターンとして活動します。櫻木晴日さん[人間科学研究科・博士後期課程2年]はブラジルの研究所で活動しました。以下、櫻木晴日さんからです。

「文化」を問い直す

[写真1]Caarapóでのインタビュー

日本から飛行機でおよそ22時間。日本のちょうど反対側に位置するブラジルの、サンパウロ人文科学研究所(以下、人文研)で、インターンシップを実施させていただきました。人文研とは、世界でもっとも多くの日系移民が暮らすブラジルで、日系移民やブラジル社会について研究し、各地の日系コミュニティーとのネットワークを築いてこられた研究所です。人文研でお世話になった方々はたいへん親切で、初めてのブラジル訪問だったにもかかわらず、多くの経験をさせていただくことができました。

インターンシップ中は、人文研の資料整理や、各種の学校・日本人会館への訪問、インタビューを実施しました。これまで経験したことのない資料整理では、貴重な資料が眠るブラジル各地の資料館や日本人会館での資料保存の重要性や、先人が残してくださった資料を後世へ伝えていく重要性を学ぶことができました。日本人会館や日本語学校では、設立当時からの歴史や、現在の課題、どのような人や子どもがかかわっているのかについてお話を伺いました。日系コミュニティ内の代替わりが進むなか、言語や文化の継承方法が課題となっていること、その一方で日本語学校がブラジル社会からの関心を集めていることなどを教えていただきました。

[写真2]日本移民ブラジル上陸記念碑の前で

今回のブラジルでの生活を通じて、知らなかったことを学び、再考を迫られた事項がたくさんありました。特に「文化」そのものについて考えるという大きな宿題を得ました。それは、それぞれの機関やひとびとが大切にしている「日本らしさ」が一つではなかったことがきっかけでした。時間を守ること、誠実であること、ルールを守ること、武士道の精神をもっていることなど、「日本らしさ」だと語られる内容は、さまざまでした。こうした多様な日本観を伺うなかで、私はこれまで、国や地域が有する「文化」を所与の本質的なものと捉えていたのだと気づきました。ある文化観を有していることは、自文化以外の文化の存在を認識し、尊重を促す効果がある一方、それが単一になってしまうと、時としてある像の押し付けとなり、はみ出たひとびとを例外的な存在に位置づけてしまうのだと気づきました。これは、自分の文化と認識していた「日本文化」がブラジル社会、日系コミュニティの双方のなかで相対化されたからこそ、違和感をもち、考えることができたのだと思います。ポルトガル語もわからず、ご飯を食べることもままならなかった時期もありましたが、ブラジルで出会ったすべての方々が、小さな困りごとから親身になって一緒に解決してくださったため、多くのことを学ばせていただくことができました。ブラジルで得られた暖かなネットワークを日本社会で築いていきたいと感じた、1ヶ月のインターンシップでした。

(2020年7月14日, 櫻木)

 
 
 
 
 

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