ホーム > 活動報告 > 公共サービス・ラーニング:若者居場所ぐーてん

活動報告

公共サービス・ラーニング:若者居場所ぐーてん


公共サービス・ラーニングでは受講生が学校、病院、自治体などの現場で実践家の人々とともに実際に様々な活動に従事して、多文化共生社会における実践的な能力を学ぶことを目的としています。大学院副専攻プログラム「未来共生プログラム」の履修科目として「公共サービス・ラーニング」を受講している塩井杏奈さん(国際公共政策研究科 博士前期課程1年)はNPO法人ZUTTOが運営する「若者居場所ぐーてん」で活動しました。塩井さんからの報告をご紹介します。受け入れ先でお世話になったみなさま、ありがとうございました。

地域に根差した活動の価値 若者居場所ぐーてん

[写真1]子どもと一緒に紙粘土で作った作品

私は2019年10月から4ヶ月半、豊中市庄内にある「若者居場所ぐーてん」の活動に参加しました。ぐーてんはNPO法人ZUTTOの一団体で、就労支援を受けていたり生きづらさを抱えている人たちの「居場所」として、そのような人の自立と就労を目的に、参加型の様々な活動を行なっています。また2015年には豊中市初の子ども食堂を開き、現在は月3回月曜夜に子どもたちに無料で夜ご飯を提供しています。私は毎週月曜日、午前中から昼過ぎまでは若者居場所の活動に参加者として、夕方から夜は子ども食堂にボランティアとして参加しました。

若者居場所の参加者は1〜2人で、スタッフとボランティアを合わせて全員で4〜6人ほどでした。活動内容は、一緒に昼ごはんを作って食べて雑談する、砂絵をする、ジグソーパズルをするなど、その日の参加者の希望に合わせて時間を過ごしていました。難しい状況も問題も特にない中、私は一参加者としてただ楽しく時間を過ごすだけだったので、共生の課題や学びを見つけることが難しかったです。また、活動を通して達成すべき具体的な目標といったものがなく、参加者の反応や変化なども見えにくかったため、初めはこの活動の意義がよくわかりませんでした。しかし、活動最終日にある参加者から「来週から来ないの?さみしいなあ」と言われたことを通して、一緒にいることや一言の声かけが影響していたのだとわかりました。平穏な若者居場所とは反対に、子ども食堂ではよくトラブルが起きました。子ども食堂では、ご飯を食べる前後の時間は、それぞれが思い思いに遊んで時間を過ごしますが、参加者には家や学校でしんどい思いをしている子どもたちもいて、暴言を言う子や自分の思う通りにならないと癇癪を起こす子もいました。ぐーてん子ども食堂には「子ども達が楽しく過ごすことを優先し、しつけはしない」という方針がありますが、実際いじめのような状況が発生した時にどのように介入して対処するのかには毎回頭を悩ませました。

参加し始めた当初は、ただ料理をして一緒に遊ぶことに意味があるのか、それによってよって何か課題を見つけることができるのだろうか、と不安に思っていました。しかし、4ヶ月半の活動を最後まで終えると、「寄り添う」ということが、些細なことでありながらも、しんどさを抱えるそれぞれにとって価値のあることなのだとわかりました。また、小さな行動の積み重ねによって「居場所」が生まれ、その人の考えや人生の一部になると考えます。ぐーてんでは特殊な活動などをしませんでしたが、だからこそいつも現場で当事者たちと接することができ、大学や大きな団体では得られない貴重な経験ができました。子ども食堂はいつもボランティアを募集しているので、気になった方は是非一度足を運んでみてください。

(2020年2月19日, 塩井)

 
 
 
 
 

« 活動報告 一覧へ戻る