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活動報告

公共サービス・ラーニング:箕面市立萱野小学校


未来共生プログラムでは1年次の後期に「公共サービス・ラーニング」という授業科目があります。公共サービス・ラーニングでは履修生が学校、病院、自治体などの現場で実践家の人々とともに実際に様々な活動に従事して、多文化共生社会における実践的な能力を学ぶことを目的としています。7期生の公共サービス・ラーニングも無事に終わり、みなさん、いろいろな学びがあったようです。箕面市立萱野小学校で活動した青木霞穏さん(人間科学研究科・博士前期課程1年)からの報告をご紹介します。受け入れ先でお世話になったみなさま、ありがとうございました。

共生社会の実現のために

[写真1]校舎の様子

私は箕面市立萱野小学校にて、公共サービスラーニングを実施しました。本校は「人権」と「地域協働」の二点に力点を置いた教育を展開しており、全学年を対象に一年間通して「人権総合学習」を実施したり、またJAなどと協働してカリキュラム編成を行うなど、その実践は量・質共に極めて高いものです。私自身、教育工学の研究者としてさまざまな先進的な取り組みを実施している学校へ足を運び、学校毎の創意工夫を目の当たりにしてきましたが、これほどまでに徹底した教育を展開している学校はそう多くはありません。なぜこれほどまでの試みが実践できるのか。そしてこれらの実践は児童たちにどれほどまでに促進的な影響を及ぼし得るのか。教育工学の研究者として、そして共生社会について考えるRESPECTの大学院生として、大変に興味が惹かれるものでした。こうした動機から、私は「学生ボランティア」という形で本校の活動に参画させていただくことにしました。

[写真2]人権総学習例

私は主に算数等の学習進度に大きな差の生じやすい授業における「入り込み」として本校へコミットすることになりました。「入り込み」とは支援の必要な児童や生徒に対し支援員が実際に学級に入り込み、直接支援や補助を行うことを言います。また本校ではインクルーシブ教育を展開しています。インクルーシブ教育とは障害を有する児童や生徒も普通学級に参加し、障害を持たない児童や生徒と同様に学校教育を享受する教育フレームのことです。本実践を行っている本校は他校と比して、より多くの支援員が必要であるということでした。私はこうした学校側からの要請に応えるとともに、かつて「人権」と「地域性」が負のベクトルを伴い、住民に牙を剥いた過去を有するこの地域に立し、「コレクティブタウン北芝」実現のための拠点の一つであろうと目される本校での参与観察を行いました。

本校での活動を経て、私は沢山の知見を得ることができたわけですが、その中から私が共生社会の創造の糸口になりそうだと感じた知見を一点報告させていただきたいと思います。一点は「学校教育は認識の形成する」ということです。認めたくはない事実ですが、現状として未だ知的障害を持つ方々に対する偏見は存在しています。そのような人々の名誉を表立って毀損するようなことはしなくても、避けてしまったりといったことはしばしば散見されます。しかし、知的障害を有する児童を特別な存在としてではなく、一人のクラスメートとして、共にクラス運営を行うことで彼らに対する偏見を認識からなくすということが本校では実現していました。知的障害の有無に限らず全く同じように児童たちは話し、遊び、喧嘩をします。一度持った偏見を捨て去ることは大変困難ですが、こうした教育実践を行うことでそもそも偏見を持たないようにすることができる。こうした教育実践の積み重ねこそ、共生社会の実現に繋がるのだと私は考えました。

(2020年2月18日, 青木)

 
 
 
 
 

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